AI動画生成でうまくいかなかった話
以前、AI動画生成ツールのRunwayを使って短い動画を作ろうとしたことがあります。
SNSなどでAIが生成したリアルな動画を見て、「これなら自分でも簡単に動画を作れるかもしれない」と思ったのがきっかけです。
ところが、実際に使ってみると、人物や物の動きがどうしても不自然になってしまい、何度も作り直すことになりました。
最終的には、かなり時間をかけたにもかかわらず、完成した動画を使うことができませんでした。
今回は、そのときの失敗談を紹介します。
写真から短い動画を作ってみたかった
きっかけは、知人が経営している小さなカフェのSNS投稿を手伝ったことでした。
お店の雰囲気を紹介するために、コーヒーの写真や店内の様子を投稿していたのですが、写真だけでなく動画もあったほうが目を引くのではないか、という話になりました。
ただ、動画を撮影したり編集したりする経験はほとんどありません。
そこで思いついたのが、AI動画生成ツールのRunwayでした。
以前から名前は知っていて、SNSでもRunwayを使った動画を見かけていました。
静止画から動画を作れると知り、「これなら撮影しなくても、おしゃれな動画が作れそう」と期待していました。
今回作りたかったのは、テーブルに置かれたコーヒーカップに手が伸び、ゆっくり持ち上げるという短い動画です。
特別な演出は必要なく、自然な動きでカフェの落ち着いた雰囲気が伝われば十分でした。
最初は、こんな簡単な動きなら問題なく生成できるだろうと思っていました。
最初の動画から何かがおかしい
さっそく、コーヒーカップが写った写真を用意してRunwayに読み込ませました。
そして、カップに手を伸ばして自然に持ち上げるような動きを文章で指定しました。
生成された動画を再生すると、最初の数秒はなかなか良い感じでした。
湯気がゆっくり動き、写真だったコーヒーが本物のように見えます。
「これはすごい!」と思ったのも束の間でした。
画面に現れた手がカップに近づくと、突然おかしな動きになったのです。
カップをつかもうとした瞬間、指がカップにめり込むように見えました。
さらに、カップの取っ手が途中で変形し、持ち上げたはずのカップが不自然に横へ移動してしまいました。
何度見直しても、明らかに変です。
最初は少し笑ってしまいましたが、これではお店の宣伝動画として使えません。
指示を変えても別のおかしな動きが出てくる
最初の指示が悪かったのかもしれないと思い、文章を修正して再挑戦しました。
「手をゆっくり動かす」「コーヒーカップの形を変えない」「自然でリアルな動きにする」
こうした内容を追加して、何度も生成してみました。
ところが、思うようには改善しません。
ある動画では、カップを持ち上げる途中で指の本数がおかしく見えました。
別の動画では、カップがテーブルの上を滑るように移動しました。
さらに別の動画では、手は自然なのに、背景のテーブルが微妙にゆがんでしまいました。
ようやく良い動画ができたと思ったら、最後の一瞬でカップの形が変わることもありました。
「あと少しなのに……」
そんなことを何度も繰り返しました。
特に困ったのは、前回うまくできていた部分まで、次の生成ではおかしくなることでした。
指の動きが改善したと思ったらカップが変形する。
カップが自然になったと思ったら背景が不自然になる。
まるで、一つ問題を直すたびに別の問題が出てくるような状態でした。
気づけば想像以上に時間を使っていた
最初は30分程度で作れると思っていました。
しかし、生成した動画を確認して、指示を修正して、もう一度生成する作業を繰り返しているうちに、あっという間に時間が過ぎてしまいました。
気づけば2時間以上、同じような動画を作り続けていました。
動画の生成にはクレジットも必要だったので、何度も失敗するのは少しもったいなく感じました。
それでも「次こそ自然な動画になるかもしれない」と思い、なかなか諦められませんでした。
途中で、そもそも手でカップを持ち上げる動きが難しいのではないかと考え、内容を変更してみました。
今度はカップを動かさず、湯気だけがゆっくり立ち上る動画に挑戦しました。
すると、先ほどより自然な動画ができました。
ただ、よく見ると湯気の出方が不自然だったり、カップの模様が微妙に変化したりする場面がありました。
SNSに投稿するだけなら気にならない人もいるかもしれません。
でも、知人のお店の紹介に使う動画だったので、違和感のあるものをそのまま公開するのは避けたいと思いました。
結局、AI動画は使わないことにした
何度も作り直した結果、今回はRunwayで生成した動画を使うことを諦めました。
最終的には、もともと撮影していたコーヒーや店内の写真を使い、ゆっくり拡大したり、画面を切り替えたりするシンプルな動画に仕上げました。
派手な動きはありませんが、実際のお店の雰囲気が自然に伝わるものになりました。
完成した動画を知人に見せると、「こういう落ち着いた感じのほうがお店に合っているね」と言ってもらえました。
その言葉を聞いて、少し複雑な気持ちになりました。
AI動画を何度も作り直していた時間は何だったのだろう、と思ってしまったからです。
最初から写真を使って編集していれば、もっと早く完成していたかもしれません。
失敗を通じて感じたこと
今回Runwayを使ってみて、AI動画生成は思っていたほど簡単ではないと感じました。
もちろん、AI動画生成そのものが使えないというわけではありません。
実際に、湯気や背景など、部分的には驚くほど自然に動く場面もありました。
ただ、こちらが思い描いた動きを正確に再現するのは、想像以上に難しかったです。
特に、手で物をつかむような細かい動きは、違和感が目立ちやすいと感じました。
また、何度も生成すれば必ず良いものができるというわけではないことも分かりました。
今振り返ると、最初から完成形にこだわりすぎていたのかもしれません。
途中で「今回は写真を使った動画にしよう」と切り替えていれば、時間もクレジットも節約できたと思います。
それ以来、AI動画を作るときは、最初に何回か試して難しそうだと感じたら、別の方法に切り替えるようにしています。
それでも、静止画が動き出したときの驚きは今でも覚えています。
今回は失敗に終わりましたが、AI動画生成にはまだ興味があります。
もう少し自然な動きが作れるようになったら、また挑戦してみたいと思っています。
