AIに曖昧な指示を出して失敗した経験

普段から生成AIを文章作成やアイデア出しに使っていますが、以前、AIへの指示が曖昧だったせいで、思っていたものとまったく違う文章ができてしまったことがあります。

そのときは「AIならこちらの意図をある程度くみ取ってくれるだろう」と考えていたのですが、結果的に何度も修正を繰り返すことになりました。

今回は、そんな私の失敗談と、その経験から変えたAIの使い方について紹介します。

AIにイベントの案内文をお願いしたときのこと

少し前、知人が開催する地域の交流イベントを手伝うことになりました。

私は参加者を募集するための案内文を作る担当になったのですが、文章を一から考えるのは時間がかかります。

そこで、普段から利用している生成AIに手伝ってもらうことにしました。

AIに入力した指示は、たったこれだけでした。

「地域の交流イベントの案内文を作ってください。親しみやすい感じでお願いします」

自分では必要なことを伝えたつもりでした。

ところが、AIが作成した文章を見て、少し困ってしまいました。

冒頭から「地域の皆さま、楽しい交流イベントを開催します!」と元気いっぱいの文章が始まり、「ゲームや楽しい企画が盛りだくさん!」という説明まで入っていたのです。

しかし、実際のイベントは、地域の人たちが集まってお茶を飲みながらゆっくり話をする小規模な交流会でした。

ゲームや特別な企画は予定していません。

さらに、AIは参加費が無料であることや、誰でも自由に参加できることまで書いていました。

実際には参加費が必要で、事前申込みも必須です。

「親しみやすい文章にしてほしい」とお願いしただけなのに、イベントの内容まで勝手に補われてしまったのです。

修正をお願いしても、なかなか思い通りにならない

もちろん、そのまま使うわけにはいきません。

そこでAIに「もう少し落ち着いた文章にしてください」とお願いしました。

すると今度は、「地域住民の交流促進を目的として、交流会を開催いたします」という、かなり堅苦しい文章になってしまいました。

最初は明るすぎて、今度は堅すぎる。

私が求めていたのは、丁寧だけれど堅苦しくなく、初めて参加する人でも安心できるような文章でした。

しかし、そのイメージをうまく伝えられませんでした。

「もう少し自然に」「やさしい雰囲気で」「短めにまとめて」

そんな指示を何度も追加しましたが、修正するたびに別の部分が気になってしまいます。

例えば、文章を短くしてもらうと、参加方法の説明まで省略されてしまいました。

逆に必要な情報を追加してもらうと、今度は説明が長くなりすぎました。

気づけば、AIとのやり取りは10回以上になっていました。

最初は「AIを使えばすぐに完成する」と思っていたのに、結局かなりの時間を使ってしまったのです。

原因はAIではなく、自分の指示にもあった

何度も修正を繰り返しているうちに、ふと気づきました。

そもそも、私はAIにイベントの詳しい内容をほとんど伝えていなかったのです。

開催目的も、参加対象も、文章を掲載する場所も説明していませんでした。

「親しみやすい」という言葉についても、人によってイメージが違います。

明るく元気な文章を親しみやすいと感じる人もいれば、落ち着いた丁寧な文章を好む人もいます。

AIは私の頭の中にある完成イメージを知っているわけではありません。

それなのに、私は「これくらい言えば伝わるだろう」と思い込んでいました。

そこで一度、修正のやり取りをやめて、最初から指示を作り直してみることにしました。

指示を具体的にしたら、結果が大きく変わった

今度は、イベントの内容や文章の目的を詳しく伝えました。

「地域の人が気軽に会話を楽しむ小規模な交流会の案内文を作ってください。対象は地域に住む大人で、初めての人にも安心して参加してもらいたいです。文章は地域の掲示板に掲載します。丁寧だけれど堅苦しくない雰囲気で、300文字程度にしてください。ゲームなどの企画はありません。日時や参加費など、不明な情報は勝手に補わず、確認が必要な項目として残してください」

すると、これまでとはかなり違う文章が出てきました。

「近所の方とゆっくりお話ししてみませんか?」という自然な書き出しで、交流会の雰囲気も実際の内容に近いものになっていました。

初めて参加する人への配慮もあり、無理に盛り上げようとする表現もありません。

日時や参加費などの未確定部分も、確認用の項目として整理されていました。

もちろん、そのまま完成というわけではありませんでしたが、少し手直しするだけで使える文章になりました。

最初からこうしておけば、何度も修正する必要はなかったのかもしれません。

最終的には知人にも内容を確認してもらい、無事に案内文を掲示することができました。

AIへの頼み方を変えました

この失敗を経験してから、AIに何かを作ってもらうときは、最初に少し時間をかけて指示を考えるようになりました。

例えば、文章作成をお願いするときは、誰に向けた文章なのか、どこで使うのか、どんな雰囲気にしたいのかを伝えています。

また、「いい感じに」「分かりやすく」「適当にまとめて」といった言葉だけで済ませないようにしています。

以前は、細かく説明するのが面倒で、短い指示を出すことが多くありました。

でも、短い指示で何度も修正するより、最初に具体的に伝えたほうが結果的に早いと感じています。

特に気をつけているのは、AIに勝手な情報を追加させないことです。

今回のような案内文では、参加費や開催内容を間違えると、実際に参加する人に迷惑をかけてしまいます。

そのため、分からない情報は推測せず、確認するように指示しています。

AIに伝わることと、人に伝わることは違う

今回の失敗で印象に残ったのは、自分では十分に説明しているつもりでも、相手には伝わっていないことがあるという点です。

普段、人に仕事をお願いするときも、相手が事情を知っている前提で話してしまうことがあります。

AIとのやり取りでも、同じようなことをしていたのだと思います。

今では、AIが思い通りの回答をしなかったとき、すぐに「AIは使えない」と考えるのではなく、自分の指示に足りない情報がなかったか見直すようになりました。

もちろん、指示を具体的にすれば必ず完璧な回答が返ってくるわけではありません。

それでも、以前より修正回数が減り、文章作成もスムーズになったと感じています。

何より、AIにお願いする前に自分の考えを整理する習慣がついたことは、思いがけない収穫でした。

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