AIで履歴書や自己PR文を作成する際のポイント
就職活動や転職活動で、履歴書の自己PRや志望動機を書くのに苦労した経験はありませんか?
自分の長所は何か、これまでの経験をどう伝えればよいか、なかなか文章がまとまらないこともあるでしょう。
そんなときに役立つのがChatGPTなどの生成AIです。自分の経験や希望する仕事内容を伝えることで、自己PR文や志望動機の下書きを短時間で作れます。
ただし、AIが作った文章をそのまま提出するのはおすすめできません。内容が一般的になったり、実際の経験とは異なる表現が含まれたりする可能性があるためです。
今回は、AIを使って履歴書や自己PR文を作成する際のポイントを、具体的な指示文や修正例とともに紹介します。
1.AIに任せる部分と自分で考える部分を分ける
AIは文章を整理したり、わかりやすい表現を提案したりするのが得意です。
例えば、次のような作業に利用できます。
- 自分の経験や強みを整理する
- 自己PR文の構成を考える
- 志望動機の下書きを作る
- 長い文章を指定文字数にまとめる
- 誤字脱字や不自然な表現を修正する
- 応募する職種に合わせて伝え方を調整する
一方、実際の経験や仕事への思いは、自分自身で考える必要があります。
AIにすべて任せると、責任感があります、協調性を大切にしています、といった誰にでも当てはまる内容になりがちです。
AIには文章を整えてもらい、文章の中身は自分で用意する。 この役割分担が大切です。
2.最初に自分の経験や強みを整理する
いきなりAIに自己PR文を書いてもらうより、まずは自分の経験を箇条書きにしてみましょう。
例えば、次のような情報です。
- これまで経験した仕事やアルバイト
- 担当した業務や役割
- 仕事で工夫したこと
- 周囲から評価されたこと
- 苦労した経験と乗り越えた方法
- 応募先で生かせそうな能力
立派な実績がなくても構いません。
例えば、飲食店でのアルバイト経験なら、忙しい時間帯に仕事の優先順位を考えたことや、新人スタッフに作業を教えたことも自己PRの材料になります。
自分の強みが思いつかない場合は、AIに質問してもらう方法もあります。
プロンプト例
履歴書に書く自己PRを考えたいです。
自分の強みがよくわからないので、これまでの経験を振り返るための質問を一つずつしてください。
私の回答をもとに、仕事で生かせそうな強みを整理してください。経験していないことは付け加えないでください。
質問に答えていくことで、自分では気づかなかった長所を見つけるきっかけになります。
3.自己PR文は具体的なエピソードを入れる
自己PRで重要なのは、長所を述べるだけでなく、それを裏付ける経験を伝えることです。
例えば、次の文章を見てください。
修正前:
私の強みはコミュニケーション能力です。周囲と協力しながら、さまざまな課題に柔軟に対応できます。
間違った文章ではありませんが、実際にどんな行動をしたのかがわかりません。
修正後:
私の強みは、相手の状況を考えて行動できることです。飲食店のアルバイトでは、混雑時にスタッフ同士の連携が取れるよう、注文状況をこまめに共有していました。この経験を生かし、周囲と協力しながら仕事を進めたいと考えています。
こちらのほうが、働いている様子を想像しやすくなります。
もちろん、これは文章例です。実際の応募書類には、自分が経験したことだけを書きましょう。
売上の改善や作業時間の短縮など、数字で示せる実績があれば説得力が増します。ただし、数字を無理に入れる必要はありません。
4.AIに自己PR文を作成してもらう方法
経験を整理できたら、AIに文章を作ってもらいましょう。
その際は、応募する職種や文字数も伝えると、目的に合った文章になりやすくなります。
プロンプト例
以下の情報をもとに、履歴書に記載する自己PR文を300文字程度で作成してください。
応募職種:一般事務
職務経験:販売店で3年間勤務
担当業務:接客、レジ対応、在庫管理、発注補助
自分の強み:正確に作業を進めること、周囲への気配り
具体的な経験:在庫数の確認を丁寧に行い、発注前に不足や入力ミスがないか確認していた
条件:
- 自然な日本語のです・ます調にする
- 大げさな表現を避ける
- 経験と応募職種のつながりを示す
- 入力していない実績や数字を作らない
- 一般的な言葉でわかりやすく書く
このように具体的な条件を伝えることで、自分の経験を反映した下書きを作りやすくなります。
文章が完成したら、実際の仕事の内容と違っていないか、必ず確認してください。
5.志望動機は応募先ごとに作成する
志望動機もAIで下書きを作れますが、どの会社にも当てはまる内容にならないよう注意が必要です。
例えば、成長できる環境に魅力を感じました、貴社の理念に共感しました、という文章だけでは、その会社を選んだ理由が十分に伝わりません。
志望動機を考える際は、次の三つを整理しましょう。
- なぜその仕事に興味を持ったのか
- なぜその会社で働きたいのか
- これまでの経験をどう生かせるのか
AIには、応募先の求人情報や、自分が魅力を感じた点を伝えます。
ただし、企業の事業内容や制度について、AIが誤った情報を示すこともあります。公式サイトや求人票で事実を確認しましょう。
会社ごとに内容を調整することで、応募先への理解が伝わる文章に近づきます。
6.AI特有の不自然な表現を修正する
AIが作成した自己PR文には、日常ではあまり使わない堅い表現が含まれることがあります。
特に注意したいのは、抽象的なカタカナ語や大げさな言い回しです。
例えば、次のように言い換えられます。
- 多角的な視点でアプローチする → 複数の方法を考える
- 円滑なコミュニケーションを促進する → こまめに情報を共有する
- 業務プロセスを最適化する → 作業の手順を見直す
- 主体的に課題解決に取り組む → 問題に気づき、自分から改善する
- 柔軟な対応力を発揮する → 状況に応じて対応を変える
こうした表現がすべて悪いわけではありませんが、具体的な行動が見えない場合は修正したほうが伝わりやすくなります。
また、AIは必要以上に「」を使ったり、同じ言葉を繰り返したりすることもあります。
特に履歴書では、読みやすく簡潔な文章が重要です。
修正するときは、次のように指示できます。
この自己PR文を、自然で読みやすい日本語に修正してください。
抽象的なカタカナ語、大げさな表現、不要な「」を減らしてください。
丁寧さは保ちながら、実際に本人が書いたような落ち着いた文章にしてください。事実関係や経験は変更しないでください。
7.履歴書の基本情報は必ず自分で確認する
AIを使う場合でも、履歴書の基本情報は正確に記載しなければなりません。
特に次の項目は確認が必要です。
- 学歴や職歴の年月
- 学校名や会社名の正式名称
- 保有資格と取得年月
- 雇用形態や在籍期間
- 担当業務や実績
AIが過去の情報を推測したり、存在しない資格や実績を補ったりする可能性もあります。
学歴や職歴を時系列に整理してもらうのは便利ですが、最終的な記載内容は自分で確認しましょう。
また、応募先から履歴書の形式や記載事項が指定されている場合は、その指示に従います。
8.個人情報の取り扱いにも注意する
履歴書には、氏名、住所、電話番号、生年月日などの個人情報が含まれます。
AIに文章の添削を依頼するだけなら、こうした情報を入力する必要はありません。
例えば、会社名をA社、氏名を仮名に置き換えるなど、必要な部分だけをAIに渡す方法があります。
利用するAIサービスによって、入力情報の保存や学習への利用に関する設定・規約は異なります。事前に確認しておきましょう。
現在の勤務先の機密情報や、顧客・同僚の個人情報も入力しないよう注意が必要です。
9.面接で説明できる文章に仕上げる
履歴書や自己PR文をAIで整えると、自分では思いつかないほど立派な文章になることがあります。
しかし、面接で詳しく質問されたときに説明できなければ意味がありません。
例えば、リーダーシップを発揮して組織に貢献した、と書いた場合、実際にどのような役割を担当し、何を工夫したのか質問される可能性があります。
提出前に、次のことを自分の言葉で説明できるか確認しましょう。
- その経験をしたときの状況
- 自分が実際に取った行動
- 工夫した点や苦労した点
- 経験から学んだこと
- 応募先で生かしたいこと
AIに面接官役を頼み、自己PRの内容について質問してもらう練習もおすすめです。
文章として整っているだけでなく、面接でも無理なく話せる内容にすることが大切です。
10.最初から完璧な文章を目指さない
AIで応募書類を作成するときは、一度で完成させようとせず、何度か修正する方法がおすすめです。
まず経験を整理し、次に自己PRの下書きを作り、最後に文字数や言葉遣いを整えます。
気になる部分があれば、具体的に修正を依頼しましょう。
例えば、もう少し短くしたい、堅すぎるので自然にしたい、接客経験を中心にまとめたい、と伝えるだけでも文章は変わります。
複数の案を比較し、最も自分らしいと感じる表現を選ぶのもよい方法です。
まとめ
生成AIを利用すれば、履歴書の自己PRや志望動機を考える負担を減らせます。
特に、自分の経験を整理する、文章の構成を考える、表現を修正する、といった作業で役立ちます。
ただし、AIは自分の代わりに経験を作ってくれるものではありません。
大切なのは、実際の経験や考えをもとに、応募先に伝わる文章へ仕上げることです。
AIが作った文章をそのまま使うのではなく、自分の言葉で読み直し、面接でも説明できる内容に整えましょう。
履歴書の自己PRがなかなか思いつかない方は、まずAIに自分の強みを整理してもらうところから始めてみてはいかがでしょうか。
