AI画像生成で失敗しやすいポイントと改善方法
ChatGPTなどの画像生成AIを使えば、イラストや写真風の画像、ブログのアイキャッチ画像などを簡単に作れます。しかし、実際に使ってみると、思い通りの画像にならないことも少なくありません。
特に、画像内の文字が崩れる、人物の指が増える、建物の構造がおかしくなるといった失敗は、画像生成AIで注意したい問題です。
最近の画像生成AIは性能が向上していますが、細かい部分まで常に正確に描けるわけではありません。
今回は、AI画像生成で起こりやすい失敗と、その原因や改善方法を具体例とともに紹介します。
1.画像内の文字が正しく表示されない
画像生成AIでよくある失敗の一つが、文字の描写です。
例えば、カフェの看板に「OPEN」と入れるよう指示したのに、文字が違っていたり、ポスターの日本語が不自然になったりすることがあります。
特に日本語では、次のような問題が起こる場合があります。
- 漢字の一部が間違っている
- 存在しない漢字のような文字になる
- 指定した文章の一部が抜ける
- 文字の順番が入れ替わる
- 小さな文字がつぶれて読めない
- 複数行の文章が正しく配置されない
これは、画像生成AIが必ずしも文字を通常の文章作成ソフトと同じ方法で扱っているわけではないためです。
文字の形や配置を画像の一部として生成する仕組みでは、特に長文や複雑な漢字で誤りが生じることがあります。
改善方法
まず、画像に入れる文字はできるだけ短くしましょう。
例えば、「AIを活用して仕事の生産性を高めるための具体的な方法」という長い文章より、「AI仕事術」のような短い文字のほうが扱いやすくなります。
プロンプトでは、次のように指定します。
白い背景のシンプルなポスターを作成してください。中央に「AI仕事術」という文字を大きく配置してください。文字は正確に表示し、余計な文字は追加しないでください。
それでも文字が崩れる場合は、文字のない背景画像だけをAIで作り、文字は後から追加する方法がおすすめです。
CanvaやPowerPointなどを使えば、正確な日本語を自由に配置できます。
特に、チラシや広告、案内文など、文字の正確さが重要な画像では、この方法が確実です。
2.人物の手や指の形がおかしくなる
AI画像生成では、人物の手指が不自然になることもあります。
例えば、次のような失敗です。
- 指が6本以上ある
- 指の本数が足りない
- 指同士がくっついている
- 関節が不自然な方向に曲がっている
- 左右の手がつながって見える
- 物を持つ手の形がおかしい
特に、指を組んでいる人物や、複数人が握手している場面などでは、正確に描写するのが難しくなる場合があります。
手は関節が多く、角度や動作によって見え方が大きく変わります。
さらに、物を握ったり、指を重ねたりすると、どの指がどこにつながっているのか判断するのが難しい構図になります。
画像生成AIは多くの画像から見た目の特徴を学習していますが、人体の構造を常に正確に再現できるとは限りません。
改善方法
手指の失敗を減らすには、できるだけ単純なポーズを指定することが有効です。
例えば、複雑な指の動きが必要な場面を避け、手を机の上に自然に置く、腕を体の横に下ろす、といった構図にします。
次のような指示も試せます。
机に向かってノートパソコンを操作している女性の写真風画像。両手はキーボードの上に自然に置かれている。手指の本数、関節、左右の手のつながりを自然な人体構造にしてください。
ただし、指の本数を指定しても必ず正しくなるわけではありません。
手元が重要な画像なら、生成後に拡大して確認し、画像の一部を修正する編集機能を使う方法もあります。
何度修正しても不自然な場合は、手が目立たない構図に変更するのも現実的な対処法です。
3.建物や機械などの複雑な構造が崩れる
画像生成AIは、複雑な立体構造を正確に表現することが苦手な場合もあります。
例えば、建物や階段、機械、家具などの画像で、次のような問題が起こることがあります。
- 階段の段差や方向が途中で変わる
- 手すりが途中で途切れる
- 窓や柱の間隔が不規則になる
- 椅子や机の脚の本数がおかしい
- 自転車のチェーンやペダルの位置が不自然
- 機械の部品が実際には接続できない形になる
一見すると本物らしくても、細かく見ると構造が成立していない場合があります。
これは、AIが見た目としてそれらしい画像を作れても、物理的な仕組みや部品同士の関係まで正確に再現できるとは限らないためです。
特に、階段や歯車、配線など、複数の部品が規則的につながるものは注意が必要です。
改善方法
複雑な対象を生成する場合は、何をどのように描くか明確にしましょう。
例えば、自転車なら次のように指示します。
横から見た一般的なシティサイクルの写真風画像。車輪は2つで同じ大きさ。フレーム、ハンドル、サドル、ペダル、チェーンが自然な位置にある構造にしてください。背景はシンプルにしてください。
正面や斜め上からの複雑な構図より、横から見た構図のほうが形を確認しやすい場合があります。
参考画像を指定できるサービスなら、実物の写真を参考にして生成する方法もあります。
ただし、設計図、建築図面、電子回路図、機械の組立図など、構造の正確さが必要なものを画像生成AIだけで作るのはおすすめできません。
実際の製作や工事に使う場合は、CADなどの専用ソフトを使用し、専門知識のある人が確認する必要があります。
4.指定した物の数や配置が違う
AIに「テーブルの上にリンゴを3個置いてください」と指示しても、2個や4個になることがあります。
また、人物を画面の右側に配置するよう頼んだのに、中央に表示されることもあります。
複数の物を細かく指定すると、AIが一部の条件を反映できない場合があるためです。
改善方法
数や位置が重要な場合は、配置を明確に伝えましょう。
白いテーブルの上に、赤いリンゴを3個だけ横一列に並べてください。ほかの果物は置かず、背景は無地の白にしてください。
さらに、複雑な構図を一度に作るのではなく、最初に背景を生成し、その後で必要な物を追加する方法もあります。
生成後は必ず数や配置を確認してください。
5.人物の顔や体の一部が不自然になる
手指だけでなく、顔や体のバランスにも問題が生じることがあります。
例えば、左右の目の形が大きく異なる、耳の位置がおかしい、腕が不自然に長いといった失敗です。
複数人が写る画像では、人物同士の腕や肩がつながって見える場合もあります。
改善方法
人物の人数を減らしたり、正面に近い構図にしたりすると改善することがあります。
また、全身が必要なければ上半身だけにするなど、画像に含める範囲を絞る方法も有効です。
人物が小さく写る集合写真では細部を確認しにくいため、必要に応じて拡大してチェックしましょう。
6.プロンプトの条件が多すぎる
思い通りの画像を作ろうとして、細かい条件を大量に書くことも失敗の原因になります。
例えば、「シンプルで落ち着いた雰囲気」と指定しながら、「派手な色をたくさん使う」と追加すると、AIがどちらを優先するべきか曖昧になります。
また、人物の服装、背景、小物、表情、光、構図などを一度に細かく指定すると、一部の条件が反映されない場合があります。
改善方法
プロンプトでは、重要な条件から優先して伝えます。
おすすめの順番は、主役、構図、背景、画風、色、細かい条件です。
最初は短い指示で生成し、足りない部分を後から追加しましょう。
特に、一度に修正する項目を1〜2個程度に絞ると、どの変更が結果に影響したのか判断しやすくなります。
7.画像の修正を繰り返すと別の部分が変わる
画像生成AIでは、一部分だけ変更するよう指示しても、ほかの部分まで変わってしまうことがあります。
例えば、人物の服を青色に変更しただけなのに、顔や背景まで変化するケースです。
これは、画像の修正時に周囲の情報も含めて再生成される場合があるためです。
改善方法
対応するサービスでは、修正する範囲を指定できる部分編集機能を使いましょう。
人物の顔、ポーズ、背景は変更せず、シャツの色だけを白から青に変更してください。
このように変更する部分と維持する部分を明確に伝えます。
それでも完全には固定できない場合があるため、元画像を保存しておくことも重要です。
8.生成した画像は細部まで確認する
AI画像は、最初に見たときには自然でも、拡大すると間違いが見つかることがあります。
特にブログやSNSで公開する前には、次の点を確認しましょう。
- 文字や漢字が正しく表示されているか
- 人物の手指や関節が自然か
- 顔や体のバランスに問題がないか
- 建物や家具の構造が不自然ではないか
- 指定した物の数や配置が合っているか
- 背景に余計な物が生成されていないか
- 実在する製品や場所について誤解を与えないか
画像生成AIは便利ですが、正確さを保証するものではありません。
特に、商品の説明画像、医療に関係する図、機械の構造図などでは、見た目が自然でも内容が間違っている可能性があります。
重要な情報を伝える画像では、実物や信頼できる資料との照合が必要です。
9.失敗を減らすためのプロンプト例
最後に、失敗しやすい部分を意識したプロンプトを紹介します。
明るいオフィスで、ノートパソコンを使って仕事をしている女性の写真風画像を作成してください。
人物は1人で、上半身を中心に描いてください。両手は机の上に自然に置き、手指の本数や関節が不自然にならないようにしてください。
机にはノートパソコンとコーヒーカップを1つずつ配置してください。
背景はシンプルなオフィスで、家具の形や配置が自然になるようにしてください。
画像内には文字やロゴを入れないでください。横長16:9の構図にしてください。
このように、失敗しやすい部分をあらかじめ具体的に指定しておくと、意図に近い画像を得られる可能性が高まります。
ただし、どれだけ詳しく指定しても、すべての間違いを防げるわけではありません。
まとめ
AI画像生成では、文字の崩れ、手指の異常、複雑な構造の間違いなど、さまざまな失敗が起こることがあります。
失敗を減らすためには、次の5つを意識しましょう。
- 画像内の文字は短くし、必要なら後から追加する
- 手指が目立つ場合は、単純なポーズや構図を選ぶ
- 複雑な構造は参考画像や専用ソフトを活用する
- プロンプトの条件を整理し、少しずつ修正する
- 公開前に画像を拡大して細部まで確認する
画像生成AIは、見た目の美しい画像を短時間で作れる一方、細かい部分の正確さには課題が残っています。
大切なのは、AIが生成した画像をそのまま完成品と考えず、自分の目で確認して必要な部分を修正することです。
失敗した画像も、どこが不自然なのかを確認すれば、次のプロンプトを改善するための参考になります。
まずは一枚の画像を生成し、手指や背景などの細部を確認するところから始めてみてはいかがでしょうか。
