【概要・感想】『わたしが「わたし」を助けに行こう』のレビュー 

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目次

概 要

恐怖心の原因

 本書は一言で言うと、恐怖心を克服する方法を教えてくれる本です。

 人によっては、高い場所が苦手だったり、異性と話すのが怖かったり、写真を撮られるのが嫌だったりといったことがあります。

 そういった恐怖心は誰もが1つや2つは持っているもので、多くは幼少期の辛かった経験や誰かにつけられた心の傷によって発生します。

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 恐怖心や悩みを解決するために多くの人は、パートナー友人に依存したり、心理カウンセラー占いなどに助けを求めてしまいます。

 しかし、本当の原因は過去の自分の中にあるので、それでは根本的な解決にはなりません。

 自分で自分の傷を癒すことが重要になります。

心のボディガードとは

 恐怖心は一見すると厄介なものに思えるかもしれませんが、実はその存在には目的があります。

 それは、私たちがこれ以上傷つかないように守ることです。

 恐怖心が私たちを傷つくことから守る役割を果たしているとすれば、それを担うのが心のボディガードです。

 心のボディガードとは、過去に友人からひどいことを言われたり、親からぞんざいに扱われたりした経験から生じるもので、心にできた傷を守るために生まれます。

心のボディガードの働き

 心のボディガードは、不安や恐怖心を駆使して、私たちが再び傷つかないよう行動をコントロールします。

 例えば、強い恐怖心を利用して仕事をドタキャンさせたり、無気力にさせて家に引きこもらせたり、新しいことに挑戦できなくさせたりすることがあります。

 これらの行動は、すべて私たちを傷つけないように守るという目的のために行われているのです。

心のボディガードの過剰な守り方

 心のボディガードは常に外の世界から危険を察知し、私たちを守ろうとしています。

 しかし、その守り方は過剰になりがちです。

 例えば、引きこもることで外の世界で傷つく可能性を減らすというのは、一見理にかなっているように見えても、現実には私たちの行動や成長を大きく妨げてしまうこともあります。

心のボディガードの起源

 心のボディガードがいつ誕生するのかといえば、多くの場合、幼少期のつらい経験や心の傷がきっかけとなります。

 例えば、子どもの頃に友達からいじめられた経験があると、心のボディガードは人と親しい関係を築くことを避けさせます。

 また、親から雑に扱われた経験があると、人に見捨てられることを強く恐れるようになります。

 さらに大勢の前で恥をかいた経験があると、人前で話すのが怖くなることもあります。

 このように心のボディガードは幼少期に傷ついた経験から生まれ、私たちの行動を制限するようになります。

 しかし、問題は心のボディガードが大人になった今でも私たちを子どもだと思っている点です。

 そのため、大人になった後も怖いことがあるとドタキャンしたり、暴言を吐いたり、引きこもったりといった、子どものような行動を取らせようとします。

 これが社会生活や恋愛、結婚、家庭生活において支障をきたす原因となることが多いです。

心のボディガードとの付き合い方

 こうした心のボディガードを排除しようとするのではなく、その存在を受け入れることが重要です。

 心のボディガードは私たちを守るために生まれた存在ですから、否定したり消そうとしたりするのではなく、対話を通じてその役割を理解し、ガードを少しずつ緩めてもらうことが大切です。

 誰もが自分を理解してほしいと願うように、心のボディガードもまた理解されたいと感じています。

恐怖心やトラウマとの共存

 一方で、心のボディガードを排除しようとしたり、心の傷を無かったことにしようとすることは逆効果です。

 幼少期に自分を傷つけた親や友人、周囲の人々を否定しても過去が消えるわけではありません。

 それどころか問題が悪化してしまうことが多いのです。

 恐怖心やトラウマが簡単に消えるものではないことは、当人が一番よく理解しているはずです。

 したがって、心の傷や恐怖心と共存しながら、それとうまく付き合っていくことが必要です。

自分自身を救う力

 過去を否定するのではなく、それを受け入れ、心のボディガードと対話を重ねることで、より自由な生き方ができるようになるのです。

 心のボディガードは敵ではなく味方であって、目的はあなたがもうこれ以上傷つかないようにすることだというのを知るだけでも、少しは心が落ち着くはずです。

 あなたを救ってくれるのは他人ではなく、自分自身なのです。

 本書を本当にきちんと読めば今より生きやすくなりますので、生きるのがちょっと辛いなと感じている人はぜひ読んでみて欲しい一冊です。

著者紹介

 著者の橋本翔太さんは公認心理師としての資格を持ち、音楽療法家としても幅広く活動しています。

 橋本さんは心理学の理論を音楽療法に応用することで、クライアントの心の癒しを促進し、自己理解を深める手助けをしています。

 橋本さんは埼玉大学音楽教育学を学び、埼玉大学大学院学校臨床心理学を専攻しました。

 音楽教員としての経験を経て、心理療法栄養療法音楽療法の3つを柱にした人生リノベーション学校の運営を行っています。

 人生リノベーション学校では、クライアントが自己を再発見し、心の問題を解決するための具体的な手法を提供しています。

 音楽を通じて感情を表現し、自己理解を深めることができると評判です。

 さらに、橋本さんはYouTubeチャンネルを運営していて、20万人以上の登録者を持つ人気の動画投稿者でもあります。

 YouTubeの動画では心理学音楽療法に関する知識を分かりやすく解説し、多くの人々に心の健康についての理解を深める手助けをしています。

感 想

 『わたしが「わたし」を助けに行こう』は、橋本翔太さんが自己救済をテーマに、自分の心に寄り添い、自分自身を支える方法を解説した本です。

 本書を読んで「自分を助ける」という考え方が非常に新鮮で、前向きに自分の心に向き合いたい気持ちが生まれました。

 本書は、つらいときや不安に押しつぶされそうな時に、他人ではなく自分が自分を支えることができるというメッセージが込められています。

 橋本さんは自己肯定感の高め方や、心のケアを行うための具体的な方法をシンプルな言葉で紹介してくれます。

 特に印象に残ったことは、「わたし」が「わたし」を助けに行くという一見奇妙な表現です。

 これはどんなに孤独で辛い状況であっても、自分自身を見捨てず、励まし続ける姿勢を意味していると感じました。

 時には他者からの支援が得られない場面でも、最後には自分自身の力で立ち上がり、進んでいく力が必要です。

 このメッセージは、自己肯定感の低下やストレスに悩む人々にとって心強い言葉だと思います。

 また、本書で紹介されている方法が、読者がすぐに取り入れられるものであることも素晴らしい点です。

 例えば日々の習慣の中で、自分を褒める時間を持つことや、安心できる自分だけの空間をつくることが推奨されていて、こうした小さな行動から自己肯定感を育てられることがわかります。

 読んでいるうちにささいな行動でも自分を支える一歩になると感じ、自分の心と向き合う勇気が湧いてきました。

 本書は悩みや葛藤を抱えるすべての人にとって心強い味方になると感じました。

 橋本さんの語りかけるような温かな文体や、親身に寄り添ってくれるアドバイスが心に染み入り、自然と実践してみようと思わせてくれます。

 読後には自分で自分を支えることができるという安心感が芽生え、心が少し軽くなったような気がしました。

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